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2026.08.31
【GIPコラム】2026年上半期 東南アジア投資・M&A動向レポート
2026年上半期の東南アジアの投資・M&A動向に関するレポートを公表いたしました。
下記サマリーおよびレポート全文をぜひご覧ください。
■東南アジア株式市場・通貨の二極化
- 2026年上半期の東南アジア主要6か国の株式市場は明暗が分かれた。タイは2月末の米国によるイラン攻撃を契機とした資源価格急騰で年初来高値から急落したが、3月の政権再任による安定確認やAI・半導体、エネルギー関連株買いで持ち直し、上半期を通じて+26.3%と6カ国中最大の上昇となった。一方、インドネシアはMSCIによるガバナンス・透明性への懸念から指数見直しが凍結・一部銘柄が除外されたことによる資金流出が続き、6カ国で唯一▲34.7%の大幅下落となった。
- 為替市場でも6カ国通貨は対米ドルで軒並み下落。インドネシアルピアが▲7.0%と最大の下落となり、株式市場と同様にガバナンス懸念に伴う資金流出が重石となった。資源輸入国であるタイバーツも、中東情勢による原油高で輸入コスト増を通じて▲5.6%と2番目に大きい下落となるなど、資源・ガバナンスをめぐるテーマが株式・為替の両市場で明暗を分けた。

■日系企業によるM&A動向
- 2026年上半期の日本・東南アジア間のM&A(マジョリティ取得案件)は23件で前年同期比10%増、金額はUS$2,510mで前年同期比715%増となり、件数・金額ともに前年同期を大きく上回った。
- 金額急増の主因は、ENEOSホールディングスによる、シェブロンのシンガポールを中心とした東南アジア・オーストラリア6カ国の燃料油・潤滑油販売事業等の買収(取得額US$2,170m)。現地の販売網やシンガポールの製油所持分50%が対象に含まれ、アジア太平洋地域での供給体制と事業基盤の拡大を狙う。

個別案件では、コンタクトセンター・BPO事業を展開するBewithによる、マレーシアのRadiant Communication株式85%の取得(US$8.3m、業績達成度に応じた最大950万リンギットのアーンアウト支払いも導入)も注目される。自社開発のクラウドPBX「Omnia LINK」の海外展開加速や、Radiant社のAIソリューション「KeyAI」の日本展開・ASEAN市場への事業拡大を狙う戦略的な一手であり、Asia Business CreationはBewith側の買収ファイナンシャル・アドバイザーとして、クロスボーダー取引のプロセス全般および戦略的交渉を主導した。

■日系企業によるマイノリティ出資・スタートアップ投資
- 2026年上半期の日本・東南アジア間のマイノリティ出資・スタートアップ投資は36件で前年同期比22%減、金額はUS$144mで75%減となり、件数・金額ともに縮小した。
- スタートアップの資金調達環境が厳しい状況が続く中、主な案件としては、JACCSによるシンガポールの自動車ローン企業Car Times Capitalへの出資(US$9.6m)などが挙げられる。

■IPO市場は件数減も金額は急拡大
- 2026年上半期の東南アジアIPO市場は、上場件数が前年同期比11%減の47件にとどまった一方、調達額は117%増のUS$3.1B、時価総額は96%増のUS$15.1Bと大幅に拡大し、件数と金額面で明暗が分かれた。
- マレーシアが36件・調達額US$1.3Bと件数・金額の両面で首位を維持した一方、シンガポールはインドネシアを上場ランキングで逆転。上位10社で全体調達額の88%を占めるなど、少数の大型・高品質案件への集中が一段と鮮明になっている。

■PE投資は件数減も金額は倍増
- 2026年上半期の東南アジアにおけるPE投資は29件で前年同期比38%減、総額US$10.1Bで同240%増となった。地政学リスクを背景に案件活動は減少したものの、データセンター向けなどのメガディール(US$1Bを超える案件)による金額面での牽引が顕著となった。
- 主要案件では、ST Telemedia Global Data CentresへのKKRによる出資(US$5,100m)、DayOne Data Centers LimitedへのCoatue Management・Indonesia Investment Authorityによる出資(US$2,000m)など、インフラ・データセンター関連が上位を占めた。

■東南アジアのテック企業は収益化が進展
- 東南アジアの主要スタートアップの中には、上場後も堅調に成長を続ける企業があり、地域のグロースエンジンとして注目を集めている。Grabは2026年Q2の純利益が前年同期比1,075%増のUS$235mとなり、配送・移動事業の利用者数拡大とフィンテック事業の収益性改善が寄与した。GoTo(インドネシア)もAdjusted EBITDAが8四半期連続で改善し、初の黒字化を達成した。
- 一方、Bukalapak(インドネシア)は2026年上半期に純利益が赤字となったもののEBITDAは初の黒字化を達成、Sea Limited(Shopee運営)は2026年Q2の純利益が過去最高のUS$458mを更新するなど、トップラインの成長を維持しつつ、企業ごとに収益改善のペースの違いも見られる。

GIPでは、2025年2月にシンガポール本社のAsia Business Creationと資本業務提携し、日本企業とアジア企業のクロスボーダーM&Aアドバイザリーのサービス提供を強化しております。
Asia Business Creation Pte Ltdについて
https://www.asia-bc.com/
2021年5月設立
シンガポールに所在するM&Aアドバイザリーファームとして、M&Aアドバイザリー、投資・資金調達アドバイザリー、事業開発コンサルティング事業を行う
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